「これください！」

以前お散歩先で子どもたちが拾ってきたどんぐりや栗に顔を描いた物や、木の上にどんぐりを並べた置物などをお部屋に飾ってみました。朝のおやつを食べようと掲示物の前を通りかかると、一人のお友だちがいつもと違う物が飾ってある事に気が付いた様子。「なんだろう？」とじっと不思議そうに眺めていると、周りにいたお友だちも「なになに？」と次々に集まってきました。２歳のお友だちが「わぁ～どんぐりだ！」「おめめかいてある」とどんぐりや栗に表情がある事に気付いたようで「かわいいね～」「どんぐりさんねんねしてるよ」と嬉しそうに机に並べ始めました。みんなで椅子に座りどんぐりや栗を囲むと「これ○○ちゃんのどんぐり」「これぼくの！」と好きな表情のどんぐりを手に取っていました。一人一つどんぐりや栗を持つと「こんにちは～」「どんぐりだよ」とお友だちに話しかけてみたり、机の上でどんぐりを転がしたりしながら「どんぐりころころ～」と楽しそうな声が沢山聞こえてきました。そんな中、別の机を遠目に見ながら何かが置いてある事に気が付いたようです。視線の先には、レジのおもちゃや前回お買い物に行った際に持って行った、お金を入れる小さな鞄やお買い物袋がありました。「やりたい！！」「○○ちゃんもする！」と、鞄を肩からかけ、ラミネートしたお金を入れると「よし！できた！」と何やら子どもたち同士で準備を始めています。「トイレいかなくちゃ！」とトイレを済ませると「おかいものいくの！」と嬉しそうにお友だちと手を繋ぎながらお部屋を散策していました。そんな姿から、コルクボードに色々な食べ物のパッケージの写真をラミネートした物を飾りつけ、レジの隣にそっと置いてみました。お部屋を散策している中「あ！！たまごがあるよ！」「ぎゅうにゅうもある」と早速コルクボードの中の商品を発見。「どれにしようかなー」「ぼくこれがほしい」とラミネートした写真を鞄に入れると、「イオンにいったらあるかな？」「よし！イオンにいこう」とそんな声まで聞こえてきました。どうやら、昨日お買い物に行く際に持って行った、プリントアウトの紙の存在が大きく、掲示されていたラミネートされたものをおもちゃとして使わずに、お買い物の見本として鞄に入れていました。見本を見ながらお部屋の中を散策し始めます。次々に展開されていく子どもたちの遊びに保育士もワクワクしていました。子どもたちの思いを大切に、少しでもお買い物気分を味わえるように見本と同じ本物の小麦粉やバターの箱、サランラップなどのアイテムもそっと仕掛けてみると・・・・「うわぁ～！こむぎこだ！」と本物の商品を見つけると、嬉しさのあまりサッと手に取り鞄に入れてしまいました。そんな中あることに気が付いた２歳のお友だち。じーっと肩からかけていたお金の入った鞄の中を覗き込んでいます。お金を出し忘れていたことに気が付くと「どうぞ～」とお金を渡し、商品を受け取っていました。お買い物鞄の中に買った物を入れると「みてみて～かってきたの」ととっても嬉しそうに見せてくれました。